音楽の都・ウィーンで有名な食べ物と言えば・・
ヴィーナシュニッツェル、グーラッシュ、シュバイネブラーテン、ザッハトルテなどなど・・
皆さんがよく知っているようなものもあると思いますが、この記事で紹介したいのは日本人にはあまり聞き馴染みがないであろう『レバーケーゼ』なる食べ物です。
ウィーンの料理といえばこれ!というものとしてはあまり聞かないと思いますが、現地の人にとっては手軽にお腹を満たせるものとして非常に身近な食べ物です。
ぼくも大好きですし、ウィーンに遊びに来た友人には必ずと言っていいほど紹介します。
この記事を読めば、ウィーン旅行の食べ歩きプランがさらに充実すること間違いなしですので、ぜひ役立ててみてください。
レバーケーゼは、ひき肉(主に豚・牛)と香味野菜、スパイスを長方形の型(Kasten)に入れて蒸し焼きにした、南ドイツ・オーストリア発祥の「ミートローフ」的食品です。
まあこう言われてもよく分からないと思いますので、写真を見た方が早いと思います。

簡単に言うと四角いドデカソーセージみたいなもんですが、スパイスなど色んなものが練り込まれているので深い味がする(ような気がします)
ドイツ南部(バイエルン)では「Leberkäse」にレバーが入る場合もありますが、ウィーンほかオーストリアでは基本的にレバー不使用の豚・牛挽肉仕様が主流みたいです。
また、オーストリアではパプリカやチーズを練り込んだ「ケーゼ(チーズ)入り」バリエーションも人気です。
Leber(肝臓/liver)+Käse(チーズ/cheese)と誤解されがちですが、上で書いた通り、レバーは基本的に入っていませんのでレバーが苦手だからって敬遠しなくて大丈夫です!
実際の語源は古高地ドイツ語の laiba (塊/loaf)+ Kasten (箱/box)が変化したものらしく、つまり「箱で焼いた肉の塊」を指し、肝臓もチーズも本来は関係ありません。
そんなレバーケーゼですが、どこで食べられるのでしょうか?
おすすめはやっぱり専門店です。
「レバーカス・ペピ」は地元の人にも人気の専門店です。
1989年にリンツで第1号店がオープンし、その後着々と店舗数を伸ばし、現在では(僕の知る限り)ウィーンに4店舗ほどあります。
ここは専門店だけあって、レバーケーゼだけで驚きのメニュー数を誇ります。
普通のスタンドなんかでは普通1、2種類しかないところを、なんと23種類もあります。
後でまた書きますが、市内中心部のカールスプラッツ近くにお店がありますので、観光の途中に休憩がてら立ち寄るのにぴったりです。ぜひ観光中に小腹が空いた時に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
また、そこら中にあるスーパーBILLAやSPARでもパックに入ったレバーケーゼを買うことができます。
家で自分で焼いて、ケチャップやマスタードを塗り、トーストしたパンに挟めばそれだけで絶品です!
また、スーパーには必ず精肉コーナーみたいなものがあり、そこで温かいレバーケーゼを買うこともできます。なんだったらゼンメルというパンに挟んでもらうこともできると思います。
では実際に『レバーカス・ペピ』でのレバーケーゼ体験についてシェアしていきます。
お店への行き方や注文方法など参考にしてみてください。
いくつかお店がありますが、市内中心部で観光プランにも組み込みやすいカールスプラッツのお店を紹介します。
ここのお店はカールスプラッツから徒歩1分です。カールスプラッツはオペラ座がある場所で、観光するなら何度も通ることになるかと思います。各観光地からのアクセスも抜群です。

中央駅やシュテファン大聖堂からなら地下鉄「U1」を使って、カールスプラッツ駅で下車。
王宮やマリアテレジア広場(美術史美術館・自然史博物館)、市庁舎からならリンク通り沿いを徒歩かトラム「1, 2, 71, D」でカールスプラッツまで移動。
ちなみにカールスプラッツ周辺には、オペラ座、カールス教会、アルベルティーナ(美術館)、ホテルザッハーなどの観光スポットがあります。
下の写真から見てわかるように(2024年当時)100g=2.39€ですね。で、ゼンメルに挟んでもらうと1€ぐらいプラスされるので、おおよそ4€弱ぐらいと思っておけばいいでしょう。

普通にレストランでハンバーガーでも頼もうものなら15€ぐらいかかったりしますからね。
最近の円安やヨーロッパの物価高を考えると、ご飯代はケチれる部分はケチりたいですよね。
レバーケーゼは安いのに美味しいし、腹持ちがいいので観光途中に小腹を満たすのに最適って訳です。
メニューについては見ての通りたくさんの種類があります。

代表的なものとしては以下のような感じです。
- Klassik/クラシック:いわゆるノーマル的なもの
- Käse/ケーゼ:チーズ入り
- Pikant/ピカント:からいやつ
- Pffefer/プフェファー:こしょう味
- Röstzwiebel/ローストツヴィーベル:焼いた玉ねぎ入り
お店に入るとカウンターがありますので、「Eine Leberkäs Klassik mit Semmel, bitte!(アイネ レバーケーゼクラシック ミット ゼンメル ビッテ)」のような感じで注文すれば大丈夫です。(はっきり言ってぼくはドイツ語は分からないので正確な文法的には間違ってるかもですが、通じます)
ゼンメルというのは、ハンバーガーで言うところのバンズみたいなものです。ゼンメルなしでも当然注文できます。ぼくの印象では、地元の人はレバーケーゼ単品で食べてるイメージがあります。
注文すると店員さんが適当な大きさに切ってくれます。

注文後に想定される質問としては、「飲み物はどうする?」(“トリンク”という音が聞こえたらそれ)ですかね。気持ちよく「ビア ビッテ!」と答えましょう。ビールとの相性も抜群です!
あとは「マスタードつける?」(“ゼンフ”という音が聞こえたらそれ)みたいなことも聞かれるので、「ヤー ビッテ!」と答えましょう。オーストリアのマスタードは日本のカラシみたいな辛さはなく、風味と、なんだったら甘さを感じます。絶対つけた方がおいしいです。
(*ちなみに下の写真は2つ頼んだものです。)

いかがでしたか?
あまりウィーンでのオススメ料理として名前が挙がらない『レバーケーゼ』ですが、美味いし安くて最高なので、ぜひ旅行プランに組み込んで食べてみてください!